ガイドコメント
ロック史に燦然と輝く名作中の名作。ひとりの女性の悲しみと苦悩を見事に表現したコンセプト・アルバムで、シンガー・ソングライター、キャロル・キングの名を世界中に知らしめた永遠のベストセラー。
収録曲
01I FEEL THE EARTH MOVE
躍動感あふれるピアノのイントロで幕を開けるR&B調の曲。主人公の心に天変地異を起こすほど強烈な恋愛感情にふさわしいダイナミックな演奏に乗って、キャロルもソウルフルなヴォーカルを披露している。間奏でのピアノとギターのインタープレイも秀逸。
02SO FAR AWAY
ピアノにアコギが絡むイントロがシブいバラードの名曲。かつての恋人への想いを独白する歌詞も良いが、孤独を噛み締めるかのような歌声も素晴らしい。ピアノ、アコギ、ベースの好演も光るが、終盤でのフルート・ソロも効いている。全米14位のヒットを記録。
03IT'S TOO LATE
R&Bやジャズの最良のエッセンスを抽出したサウンドに乗って、作者自身の魂の声のごときメロディと歌詞が心を揺さぶるナンバー。演奏陣の好演も光るが、何よりもキャロルの自然体の歌声が素晴らしい。5週連続で全米No.1ヒットを記録。
04HOME AGAIN
もう二度と家には帰れないのかも……と歌われるバラード。情感を抑えたキャロルの歌声が胸に沁みる。曲そのものを力強く先導する彼女のピアノに絡む盟友ジェイムス・テイラーのアコギの音色が心地よい。名手ラス・カンケルの歌心あふれるドラミングも秀逸。
05BEAUTIFUL
古いブルースのように「毎朝、起きたら……」から始まる曲。女性なら誰もが理解することができるはずの感覚がここにはある。自分自身に言い聞かせるように歌うキャロルのヴォーカルが素晴らしい。女性がポジティヴに生きるための魔法の呪文のような曲。
06WAY OVER YONDER
約束の地を夢見るキャロル流ゴスペル・ソング。ソウルフルなハーモニーを披露するメリー・クレイトン率いるクワイアも好サポート。カーティス・エイミーのサックスやストリング・カルテットも良い演奏を聴かせる。ジェイムズ・テイラーのアコギの響きも効果的。
07YOU'VE GOT A FRIEND
1970年発表の、この時代が求めていた“友情”の歌。サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」同様、この曲もキング流ゴスペル・ソング。ピアノに絡むジェイムズ・テイラーのアコギとストリング・カルテットの演奏が心地よい。
08WHERE YOU LEAD
「地の果てまでもついていく」と歌われる熱烈なラブ・ソング。メリー・クレイトンらのソウルフルなコーラスを配したR&B調のサウンドが心地よい。キャロルのヴォーカルとピアノも見事だが、ダニー・コーチマーのギターとラルフ・シュケットのエレピが効いている。
09WILL YOU LOVE ME TOMORROW?
ゴフィン=キングが1960年にシュレルズに提供した名曲の作者ヴァージョン。ピアノを軸にしたゴスペル調のアレンジで、ジェイムズ・テイラーとジョニ・ミッチェルによるクワイア調コーラスがキャロルのヴォーカルをバックアップしている。2本のアコギも効果的。
10SMACKWATER JACK
ミディアムのシャッフル・ビートに乗って、無法者と保安官の対決をキャロルが歌うロックンロール・チューン。メリー・クレイトンらコーラス陣との掛け合いも楽しい。ダニー・コーチマー、チャールズ・ラーキー、ラルフ・シュケットらの好サポートも目立つ。
11TAPESTRY
ピアノの弾き語りで綴られる永遠の名盤のタイトル曲。キャロルの自伝的なストーリーを神話的な物語へと変換したバラード。「放浪者」や「幽霊」が何の象徴なのかも気になるが、それよりも彼女の歌声にひたすら酔いたい。隠し味のシンセサイザーも効果的。
12(YOU MAKE ME FEEL LIKE) A NATURAL WOMAN
1967年にアレサ・フランクリンに提供した名曲の作者ヴァージョン。ピアノとベースのみの演奏をバックに歌うキャロルならではの自然体の歌声にはアレサの名唱にも負けない独自の輝きがある。ワン・アンド・オンリーの歌声の魅力を伝えるスタンダードな名曲。
13OUT IN THE COLD
14SMACKWATER JACK
ミディアムのシャッフル・ビートに乗って、無法者と保安官の対決をキャロルが歌うロックンロール・チューン。メリー・クレイトンらコーラス陣との掛け合いも楽しい。ダニー・コーチマー、チャールズ・ラーキー、ラルフ・シュケットらの好サポートも目立つ。