ガイドコメント
60〜80年代までのキャリアを網羅したベスト盤。天才シンガーとして活躍した60年代からスーパースターへと昇り詰めた70年代、そしてトップに君臨し続けた80年代と、彼の偉大な足跡を21曲で辿る究極の1枚。
収録曲
01サンシャイン
1963年、シカゴのリーガル・シアターでライヴ録音されたシングル曲。臨場感あふれるライヴ会場ならではの熱気をバックに、当時12歳の天才少年スティーヴィーによる饒舌なハーモニカ・ソロと達者なヴォーカルが堪能できる。3週連続で全米No.1ヒットを記録。
02迷信
ストーンズの「サティスファクション」からヒントを得たというアップ・テンポのR&Bソング。ホーン・セクションをフィーチャーしたパワフルなサウンドをバックに、若きスティーヴィーがソウルフルなヴォーカルを聴かせる。1966年に全米3位のヒットを記録。
03愛するデューク
04回想
若きスティーヴィーのソウルフルなヴォーカルが炸裂するホットなラブ・ソング。シンプルなサウンドをバックに饒舌に歌いまくり、徐々に熱を帯びていく直線的な展開が魅力。ビーチ・ボーイズからホイットニー・ヒューストンまで、カヴァーも多い1967年の名曲。
05オーヴァージョイド
トニー・ベネットの名唱で知られるバラードをR&B調にカヴァー。ヘンリー・コスビー編曲の躍動感あふれるサウンドをバックに、スティーヴィーらしいソウルフルなヴォーカルとメロディックなハーモニカ・ソロを聴かせてくれる。1968年に全米2位のヒットを記録。
06マイ・シェリー・アモール
1969年発表の名盤『マイ・シェリー・アモール』に収録されたタイトル・チューンで、60年代のスティーヴィーの最高傑作と称される大スタンダード。イントロが流れるだけで鳥肌が立つ究極のメロウ・ソング。
07フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ
映画『ユー・ガット・メイル』(98年)挿入曲にもなったナンバー。ホーン・セクションや女声コーラスをフィーチャーした賑やかなサウンドをバックに、スティーヴィーがソウルフルな歌声を披露する。全米3位のヒットを記録。
08涙をとどけて
アルバムからの2曲目のシングル曲。エレクトリック・ピアノとパーカッションをフィーチャーしたラテン調のサウンドをバックに歌われるメロウなタッチのラブ・バラード。リリースの数年後には早くもスタンダード化していた珠玉の名曲。1973年3月に全米No.1ヒットを記録。
09ハイアー・グラウンド
歴史的名盤『トーキング・ブック』に収録されたナンバーで、シングルは全世界でNo.1ヒットを記録した場外ホームラン級の大ヒット曲。アルバムにも参加したジェフ・ベックのために書かれた曲で、とにかくファンキー。
10マスター・ブラスター
輪廻転生について歌った名曲。クラヴィネットやワウ・ギターを駆使したファンク・ビートに乗って、この世界に生まれ変われた歓びが歌われている。作曲から録音までを3時間で仕上げたという天啓のような曲。全米4位のヒットを記録。
11レゲ・ウーマン
ファンキーなリズムに乗って歌われる強烈なプロテスト・ソング。ポップなアティテュードでシリアスなメッセージを伝えるスティーヴィーならではの傑作。ユーモアのセンスさえ感じさせる音楽的/詩的な表現の数々はまさに天才の仕事。全米8位のヒットを記録。
12愛するあの娘に
ニクソン大統領の欺瞞を批判した辛辣なメッセージ・ソング。ホーン・セクションをフィーチャーしたファンク・サウンドとジャクン5のコーラスをバックに、スティーヴィーが最高にソウルフルなヴォーカルを披露している。全米No.1ヒットを記録。
13アップタイト
シンセサイザーを駆使したファンキーなリズムで迫る「レゲエ女のブギ」。スティーヴィーならではの自由な発想から生まれたフレキシブルなダンス・ミュージック。発表当時は斬新だったが、10年後には見事にスタンダード化していた。全米3位のヒットを記録。
14フィンガーティップス
子供の頃の思い出を回想する極上のポップ・ソング。スティーヴィー自身によるドラムスとシンセサイザーが作り出す独特のグルーヴに乗って、ホーン・セクションを含むバンド陣が快調に疾走する。ヴォーカルの素晴らしさは言うまでもない。全米No.1ヒットを記録。
15ヘイ・ラヴ
『トーキング・ブック』に始まる70年代の歴史的三部作に続いて発売され、まさにキャリアの頂点を極めた名盤『キー・オブ・ライフ』収録曲で、アルバム中、最も人気の高い名曲。何度もCMなどで使用されている。
16汚れた街
心の友ボブ・マーリィを意識したスティーヴィー流レゲエ・ソング。レゲエのリズムに乗って熱っぽく歌われる歌詞にはマーリィの名前も登場し、ジャム・セッションの楽しさを伝え、さらに第三世界への目配りもあるところが彼らしい。全米5位のヒットを記録。
17悪夢
18ザット・ガール
80年代初頭のモータウン・サウンドを象徴するような曲。後輩マイケル・ジャクソンとも共通するゴージャスなサウンドが楽しめる。油の乗り切ったスティーヴィーのヴォーカルも絶好調。ポール・ライザー編曲によるストリングスも光る。全米13位のヒットを記録。
19ドゥ・アイ・ドゥ
もともとは映画『ウーマン・イン・レッド』の主題歌として書き下ろした曲。日本では最大のヒット曲となり、これ以降 “スティーヴィー=ラヴ・バラード”という図式が定着。普遍的な愛の姿が堂々と歌われている。
20心の愛
80年代の最高傑作『イン・スクエア・サークル』に収録されたナンバー。ずっと昔から存在していたかのような美しいメロディを持った曲で、実際、多くのミュージシャンがカヴァーし、スタンダードの1つになっている。
21パートタイム・ラヴァー
1960年代のモータウン・サウンドを80年代のテクノロジーで再生してみせたポップ・ソング。キャッチーなメロディとデジタル・ビートとの組み合わせが当時新鮮で、ユーモラスなスキャットと熱を込めた高音ヴォーカルの素晴らしさは言うまでもない。全米No.1を記録。