ミニ・レビュー
言わずと知れた超名盤に最新デジタル・リマスターを施した廉価盤。(1)のドン・フェルダーとジョー・ウォルシュによる白熱のギター・プレイも、今回のリマスタリングでよりクッキリ鮮やかに迫ってくる。まだ未聴という人は、この機会にぜひ一聴を。
ガイドコメント
名盤をデジタル・リマスター復刻。“ホテカリ”の愛称で呼ばれた、70年代アメリカを代表する不朽の名作。ジョー・ウォルシュの参加でパワフルかつ切れの良いサウンドの完成を見た76年作品。
収録曲
01HOTEL CALIFORNIA
02NEW KID IN TOWN
ヘンリー、フライ、J.D.サウザーの共作曲。フライが歌う秀逸なポップ・ソング。ロサンゼルスにやって来たホール&オーツについて歌ったものだと言われている。美しいコーラスと過不足のないサウンドが良い。全米No.1ヒットを記録。
03LIFE IN THE FAST LANE
新生イーグルスを象徴するR&B調の曲。ヘンリーの力強いヴォーカルをフィーチャーしたものだが、ファンク感覚のヘヴィなサウンドは新機軸。現代人のめまぐるしい都市生活を“高速車線”に喩えた歌詞も秀逸。全米チャート11位のヒットを記録した。
04WASTED TIME
05WASTED TIME
06VICTIM OF LOVE
ヘンリーのヴォーカルをフィーチャーしたヘヴィなロック・チューン。偽りの恋に囚われた女性に対する辛辣な歌詞はフライとJ.D.サウザーの発想によるものか。ウォルシュのスライド・ギターとフェルダーのリード・ギターが大いに活躍する曲でもある。
07PRETTY MAIDS ALL IN A ROW
フェイド・インするピアノの調べから始まるウォルシュの曲。新加入のウォルシュのヴォーカルをフィーチャーした劇的なバラード。歌詞も含めて、郷愁の念を刺激するノスタルジックなムードが泣かせる。ストリングス仕様のシンセサイザーも効果的。
08TRY AND LOVE AGAIN
マイズナーが書いたラブ・バラード。マイズナーのハイトーン・ヴォイスにフライとウォルシュのツイン・リード・ギターが絡む。恋に裏切られた孤独な男がもう一度だけ恋に賭けてみよう、と決意する唄だが、他のメンバーはともかく、マイズナーなら似合う。
09THE LAST RESORT
ヘンリーが歌うドラマティックなバラード。「ホテル・カリフォルニア」以上に辛辣に“架空の楽園”カリフォルニアの血塗られた来歴を告発する歌詞が秀逸。執拗なまでに繰り返される“They called it Paradise,I don't know why”の一節が心に残る。