ガイドコメント
ドラマーのボーナムを失い、バンド活動に終止符を打ったツェッペリン。82年リリースの本作は1969〜78年に録音された未発表音源をジミー・ペイジが選曲したもので、追悼盤といえる。
収録曲
01WE'RE GONNA GROOVE
1969年6月に録音された『II』のアウトテイク。ペイジのワイルドなギター・ワークとボンゾの巧みなドラミングに先導されて、若きプラントが猛々しいヴォーカルを披露。ベン・E・キングのカヴァーだが、初期ZEPはオリジナルに近い独創性を発揮している。
02POOR TOM
1970年6月に録音された『III』のアウトテイク。ボンゾらしい創意に富んだ独創的なシャッフル・ビートに乗って、スキッフル風味も感じさせるZEP流のジャグバンド・サウンドが賑やかに展開される。プラントのマウスハープも楽しめる異色の1曲。
03I CAN'T QUIT YOU BABY
1970年1月9日のロンドン公演のリハーサル・テイク。ということになっているが、その夜の本番テイクと酷似しているので真偽は不明。ZEPはスタジオ録音版を凌ぐ素晴らしい演奏を披露しているが、ボンゾの秀逸なフィル・インで唐突にカットアウトされる。
04WALTER'S WALK
1972年5月に録音された『聖なる館』のアウトテイク。ペイジの鋭角的なギター・リフとボンゾの力強いドラミングが牽引するスリリングなハード・ロック。プラントのヴォーカルだけは82年にダビングされた、という説もあるが、とにかく強烈な未発表曲。
05OZONE BABY
1978年11月に録音された『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』のアウトテイク。ペイジのソリッドなギター・リフと強力なリズム・セクションが絡み合うハード・ロッキンなロックンロール。プラントのヴォーカルも乗りに乗っている。ややビートリーなテイストもある佳作。
06DARLENE
1978年11月に録音された『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』のアウトテイク。やや変則的なギター・リフとリズム・パターンとの絡みが最高。後半はシャッフルのロックンロールへと展開し、ジョーンジーのピアノをはじめ、4人がそれぞれに秀逸なプレイを披露する。
07BONZO'S MONTREUX
1976年9月にモントルーのスタジオで録音されたボンゾのソロ曲。彼のワンマン・ドラムス・オーケストラによるパーカッシヴなサウンドが堪能できる。ハーモナイザーを駆使したメロディックなアプローチもあり、あっという間に終わってしまう4分18秒の悦楽。
08WEARING AND TEARING
1978年11月録音の『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』のアウトテイク。全力疾走でシャウトするプラントも圧巻だが、猛烈な勢いで突っ走るリズム隊とともに痙攣的な速度で弾きまくるペイジのギターが凄まじい。パンクスを鼻息で吹き飛ばすような勢いがここにはある。