ガイドコメント
ジャケットにもトレードマークの黒のストラトをフィーチャーした1977年発表作品。イーグルスなどを手がけたグリン・ジョーンズがプロデュース。ブルース色が薄くなり、AORテイストが前面に押し出された作品。
収録曲
01COCAINE
J.J.ケイルの名曲のカヴァー。「サンシャイン・ラヴ」に酷似したギター・リフが当時のクラプトンの英国回帰を象徴している。コカインに苦しめられた経験を持つ彼がこの曲を歌うのは特別なこと。ヴォーカルも安定しているが、秀逸なギター・ソロも聴ける。
02WONDERFUL TONIGHT
03LAY DOWN SALLY
マーシー・レヴィとジョージ・テリーとの共作曲。ロカビリー/カントリー調の2ビートに乗って、クラプトンが語るように歌い、同じく語るように歌うギター・ソロを弾いている。レヴィとイヴォンヌ・エルマンによる女声コーラスも効果的。全米3位のヒットを記録。
04NEXT TIME YOU SEE HER
敬愛するドン・ウィリアムズの影響を感じさせるオリジナル・カントリー曲。クラプトンはカントリー調のメロディとギター・ソロを披露している。キャッチーなフックのリフレインが心地よい。平凡すぎるような気もするが、それがこの曲の魅力。
05WE'RE ALL THE WAY
お気に入りのカントリー歌手ドン・ウィリアムズの名曲をオリジナルにほぼ忠実なアレンジでカヴァー。クラプトンの声質にはよく似合うバラードのため、違和感やそれほど濃厚なカントリー臭もない曲なので、ある意味彼らしい選曲といえる。
06THE CORE
マーシー・レヴィとの共作曲。ブリティッシュ・ロックならではのギター・リフに先導されて、クラプトンとレヴィが歌うロック・チューン。何かにとり憑かれたかのように弾きまくるクラプトンのギター・ソロも圧巻だが、それに絡むメル・コリンズのサックスも素晴らしい。
07MAY YOU NEVER
英国のシンガー・ソングライター、ジョン・マーティンの名曲をアンプラグドなアレンジでカヴァー。アコギとオルガンをフィーチャーした爽やかなサウンドをバックに、クラプトンもジェントルな歌声を披露している。その後の彼の音楽性を予感させるサウンド。
08MEAN OLD FRISCO
デレク&ザ・ドミノズの幻の2ndアルバムのための、セッションで演奏したアーサー・クルーダップのブルース曲。クラプトンはヴォーカルよりもむしろスライド・ギターで歌っている。いつもよりもダーティなトーンとフレージングによるソロも実にイカしてる。
09PEACHES AND DIESEL
のちにプロデューサーとして大成するアルビー・ガルテンとの共作曲。「ワンダフル・トゥナイト」や「ブラック・サマー・レイン」を思わせるインストゥルメンタルのバラード。歌詞をつければヒット曲になりそうだが、キター・インスト曲としても充分に魅力的。