ガイドコメント
バックは全員英国人メンバーで来日した武道館公演の模様を収録したライヴ・アルバム。80年発表。レオン・ラッセルのナンバーからサニー・ボーイ、オーティス・レディングなどのカヴァーを収録したゴージャスな作品。
収録曲
[Disc 1]
01TULSA TIME
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。ドン・ウィリアムズの相棒ダニー・フラワーズの曲。英国人バンドの演奏は“タルサ時間”にしてはタイトだが、当時のクラプトンにはこの英国的なノリが必要だったのかもしれないと思わせるバンド・サウンドが楽しめる。
02EARLY IN THE MORNING
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。当時の最新作『バックレス』収録のブルース・クラシック。あまりブルージィではない英国人バンドの堅実な演奏をバックに、クラプトンは力強いヴォーカルと絶妙のスライド・ギター・ソロを披露している。
03LAY DOWN SALLY
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。マーシー・レヴィとの共作による全米3位のヒット曲をオリジナルにほぼ忠実なカントリー調のアレンジで演奏している。レヴィのハーモニーがないのは寂しいが、少し長めのギター・ソロで楽しませてくれる。
04WONDERFUL TONIGHT
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。当時の愛妻パティに捧げられたラブ・バラードの名曲をオリジナルにほぼ忠実なアレンジで演奏。その後、さまざまな編曲を施される定番曲だが、ここでのシンプルなヴァージョンを愛するオールド・ファンは多い。
05IF I DON'T BE THERE BY MORNING
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。当時の最新作『バックレス』からのディランの曲。スタジオ録音版よりもノリの良い歌と演奏が聴ける。アルバート・リーのギター・ソロも悪くないが、何よりもクリス・ステイントンのピアノ・ソロが素晴らしい。
06WORRIED LIFE BLUES
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。ビッグ・メイシオのブルース・クラシックをクラプトンは実に楽しそうに歌っている。ピアノ・ソロ、オルガン・ソロに続いて、満を持して登場するクラプトンのブルージィなギター・ソロがたっぷりと堪能できる。
07ALL OUR PAST TIMES
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。『ノー・リーズン・トゥ・クライ』収録のリック・ダンコの曲。クラプトンとアルバート・リーがヴォーカルとギター・ソロをシェアしているが、クラプトンのセンシティヴなソロが秀逸。クリス・ステイントンのピアノも好サポート。
08AFTER MIDNIGHT
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。フル・スロットルのアップ・テンポで演奏されるJ.J.ケイルの初期の名曲。心地よくうねりまくるバンド・サウンドに乗って、クラプトンが火を吹くようなギター・ソロを披露している。この夜のギグのハイライトのひとつ。
[Disc 2]
01DOUBLE TROUBLE
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。敬愛するオーティス・ラッシュのブルース曲のクラプトン・ヴァージョン。『ノー・リーズン・トゥ・クライ』での名演をしのぐほどの熱演が堪能できる。鬼気迫るギター・ソロはこの時期を代表する入魂のパフォーマンス。
02SETTING ME UP
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。アルバート・リーのヴォーカルとギターをフィーチャーしたダイアー・ストレイツのカヴァー。カントリー畑でのキャリアもある達人リーのギター・ソロでは、クラプトンのソロにはない軽妙な味わいも楽しめる。
03BLUES POWER
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。レオン・ラッセルとの共作によるライヴ定番曲をオリジナルよりも速いテンポでプレイ。軽やかに躍りまくるクリス・ステイントンのピアノをバックに、クラプトンが気合いの入ったワウ・ギター・ソロを披露している。
04RAMBLING ON MY MIND
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。敬愛するロバート・ジョンソンのブルース・クラシックをカヴァー。中盤にはフレディ・キングの「愛の経験」が挿入される9分近い長尺ヴァージョンのため、ヴォーカルも、ギター・ソロも、たっぷりと堪能できる。
05COCAINE
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。J.J.ケイルの名曲のカヴァー。ヒット曲ではないものの、ファンの間では人気の高いライヴ定番曲。クラプトンのギター・ソロはたっぷりと楽しめるが、終盤ではアルバート・リーのソロも聴ける長尺ヴァージョン。
06FURTHER ON UP THE ROAD
1979年12月3日、日本武道館でのライヴ録音。メンバー紹介とともに始まるアンコール・ナンバーは、もはやクラプトンの持ち歌と言ってもいいライヴ定番曲。主役のクラプトンはもちろん、アルバート・リーとクリス・ステイントンのソロも堪能できる贅沢な7分間。