97年に結成され、ワールドワイドな支持を獲得してきた5人組。本作は10枚目のアルバム。冒頭からのアグレッシブな畳み掛けに圧倒されるが、そのハードコアなストレートさが、このタイミングでのバンドの姿勢を体現。魅力の一つである静なる構成美も変わらずに見せる。潔さの表れた重要作。
約2年ぶり、29枚目のシングル。静かに始まる表題曲は、デスヴォイスからメロディックへ繋がる期待通りの二面性を持つ。ハイトーン・ヴォイスも健在で気持ちが良い。「Ash」はリメイク版となっており、サビが大きく変化。京のハイトーン・パートが加わったことにより、訴求力が増している。
結成20年を記念して、ファンのリクエストを元に選曲し、リマスタリングにより磨き上げた3枚組ベスト。全44曲のうち3曲を新録音しており、新たなミックス・エンジニアを二人起用。過去の歩みをまとめながらも、今後への期待感も十分に煽る最新型のバンド・サウンドも楽しめる。
2016年6月から過去作を軸にしたシリーズ・ツアーを展開するDIR EN GREY。その最中にシングルを発表。シングルとしては久しぶりといえる攻めの楽曲で、彼らの魅力であるアグレッシブさをとことん味わえる。ネガティブをエネルギーの源とする京の歌や、詞に描かれた心理描写もエグい。
前作『DUM SPIRO SPERO』以来、約3年4ヵ月ぶりとなる9枚目のアルバム。2000年代以降のモダン・ヘヴィ・ロックを基軸にしながら、メンバーのインタープレイから生まれる奇抜なアンサンブルが鮮烈な印象を残す。ダークで妖しいメタファーを駆使した歌の世界もさらに深みを増している。
前作から約9ヵ月というスパンで放たれる通算27枚目のシングル。インダストリアルなサウンドの中、グルーヴィなボトムが心地よくサイケデリックに響く。京(vo)のさまざまな声色を駆使した“心”への問いかけが音響効果により四方から聴こえ、人間心理の隙間を鋭く突く快作。
新曲1曲とセルフ・カヴァー6曲で構成したミニ・アルバム。摩訶不思議なメロと展開に個性が表われ、中毒性の高い「Unraveling」。カヴァーは原曲を活かした部分も多いが、アンサンブルをさらに重視することで深みのある構築を楽しめる。受注生産限定盤は大作「MACABRE」のカヴァーほか収録の3枚組。
国内外で精力的な活動を続けるDIR EN GREYの26枚目のシングル。ヘヴィにして繊細なアンサンブルの上で自由に行き来する京の歌声で、禍々しくもどこまでも美しいサウンドを構築。夢の中に放り込まれたような圧巻の世界を見せつける。初期作のリメイク「霧と繭」をカップリング。
2008年リリース第7作の新装版。リマスタリングを施し、ロング・ヴァージョンのSE「SA BIR」、LP収録の特別ヴァージョンの「BUGABOO」、日本語詞の「DOZING GREEN」「GLASS SKIN」、シングルのカップリング曲「HYDRA 666」を加えた15曲。
海外では欧州を中心に人気を博すロック・バンドの8枚目のアルバム。アルバム・タイトルは“息ある限り希望を捨てず”というラテン語の格言から引用。不穏で暗鬱とした「狂骨の鳴り」から幻想的な「流転の塔」まで、重厚で鬱屈としたサウンドながらも“生への飽くなき探求”を直情的に描写している。
アルバムに向けての伏線や過去曲の再構築など、25枚目のシングルは、DIR EN GREYの歴史を線で結ぶ濃密な物語をイメージさせる。特に、ヴォーカル、ギター、展開が織りなす豊かな音楽の水脈が感覚の深き場所を潤す新曲は、バンドが新たな章に分け入ったことを知らしめるのに十分な説得力を湛えている。
前作「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」から約1年ぶりの24枚目のシングル。メロディアスだが強固な印象の「LOTUS」は美しく、アルバム『VULGAR』(2003年)収録曲の再録「OBSCURE」はグロウルが炸裂し戦慄が襲う。出口が見えずもがき苦しむ人へ一筋の光を提示する、揺るぎない力を体感せよ。
通算25枚目となるシングル。ずしりとした重低音に幾重にも轟音を絡ませ、厚みと深みのあるサウンドを構築。メロディ・ラインは美しく洗練度が高いため、轟音でも耳当たりがよく聴きやすい。澄んだ高音と咆哮のような声音を駆使し、自在に繰るヴォーカリゼイションも秀逸。
『ビルボード』の114位に入った7作目。ダーク・ヘヴィ・ミュージックを甘い旋律で消化し、芝居がかった仕上がりと言える。エクストラで「GLASS SKIN」(歌詞英語)のPVも観られ、ディスク2は鍵盤楽器と歌で攻めて生々しさが魅力。初回盤は、36ページのブックレット封入の豪華パッケージ。
「GLASS SKIN」はタイトルどおりに繊細で冷たい感触のサウンドで彩られた“歌もの”と言えるシングル。「undecided」は2002年の3作目『鬼葬』収録曲の再録音でメロウな仕上がりだ。そして「AGITATED SCREAMS OF MAGGOTS」は2006年のシングルの曲だが、ピアノとシアトリカルな苦悶絶叫ヴォイスで“リメイク”した意欲作。
結成10年を機に発表されたベスト・アルバムのこちらは後半版。等加速度的にアメリカでの評価を上げた時期の楽曲群なだけあり、メロディの美的な筋どおりと衝動の奔出に彩られたヘヴィネスとのせめぎ合いは、日本規格では収まらないスケール感を湛えている。
デビュー・シングルの「アクロの丘」から2002年までの曲の中からピックアップしたベスト盤。ロマンティックな日本的メロディの曲と同時代の米国のメジャー・へヴィ・ロック的な曲の同居が、初期から不変であることを示す。厚手の紙のブックレットとスリーブ・ケース付き。
とてもアグレッシヴな表情を見せるDIR EN GREYのシングル。今作は、彼らのもう一つの側面でもあるバラード系スタイル。もちろんゴシック&ヘヴィに構築した姿も。彼らが本質的に持っている歌心を、豪圧色に染め上げた表情の中で楽しめる。
シングルの「凌辱の雨」「CLEVER SLEAZOID」も再録音し、結成10年目に発表したアルバム。ゴシックがかったラウド・ロック・サウンドはKORNも思い出すが速い曲もあり、ヴォーカルをはじめとして甘い旋律が前面に出た曲も多く、演劇性に富む彼らの美意識でそれらが違和感なく同居している。
国外での活躍も目覚ましいDir en greyの通算20枚目のシングル。ヘヴィネスでメタリックなリフを中心にした、すべてが攻めのナンバー。わずか3分弱なのに濃密なアレンジとフレーズと詰め込む。2006年の日本武道館ライヴからの3曲も収める。
海外での活躍が目覚しい激情バンドの約10ヵ月ぶりとなるマキシ。表題曲はゴス風味のエモーションが炸裂するヘヴィ・チューン。カップリングの3曲は独ベルリンでのライヴ音源で、日本と変わらぬ絶叫のような黄色い歓声が熱狂ぶりを伝える。
メタリックな激烈音楽への傾斜を強めるなかで発表されたマキシ。リード・トラックは激情の迸りをそのまま形にしたかの3分足らずの力押し激烈チューンで、バンドの今をストレートに表明している。ライヴ・ヴァージョン3曲と併せて彼らなりの骨のあるダークな美学を描く。
通算5作目となるアルバム。前作は痛みをテーマにヘヴィネスな音を追求したが、ここでは彼らが本来持ち合わせていたメロディの良さ、構築的なアプローチなどもバランス良く配して、多角的なスリルと魅力を具現化。強烈なる個性が聴き手を震わせる。
ヒリヒリと空気を引き裂くギター、地を這うようにドライヴしていくビート、そして、毒をまき散らかしながら昇天していくヴォーカル。バンドの基本コンセプトである“痛み”を表現したというこの曲は、じつは洗練されたバンド・アンサンブルが印象的。
もはやベテランの域に達しようかという彼ら。ドラマティックに展開する表題曲は、その実力が遺憾なく発揮されたヘヴィ・メランコリック・ナンバー。音と歌声が、痛く哀しく棘のように刺さる。併録された3曲の最新ライヴ音源も、ファンにはたまらないだろう。
圧倒的な煽動力を持つ5人組。フル・アルバムとしては4作目。ミニ・アルバム『six Ugly』で見せつけた進化的ヘヴィ・ロックがついに完成した印象だ。彼らの名が欧米へと広がりつつある現況を、自らあらためて実証する内容と言える。チャート最高位6位。★
シンプルにして深い奥行きをもったナンバー。音数は少ないが、全体の緊張感はひじょうに高い。ヘヴィな轟音がガッと入った次の瞬間にクリーンなサウンドが広がりを見せたり、楽曲全体のメリハリが半端ではない。和風なことばで歌われる歌詞の世界も独特。
ヴォーカルの繊細な表現が際立つメロディアスなミディアム・テンポながら、ヘヴィなリズム、ノイジーなギターも味わえる緩急のある(1)。前作から約半年ぶりのリリースであるが、ボサ・ノヴァ・テイストの(4)も含め、さらに広がった音楽性をはっきりと実感させる仕上がりだ。
6曲入りミニ・アルバム。アグレションは彼らの持ち味の一つだが、メンタリティも含めて、究極なまでに刺々しさを追求する姿勢が表現された一枚だろう。そんな中で垣間見せる過激さだけで押し切らないアレンジ・センスも味。
すでに絶大な人気を誇る彼らの、初のライヴ音源CD。“列島激震行脚2002開化神眼”というタイトルが付けられた全国ツアーから、2002年5月23日の大阪厚生年金会館でのライヴを収録したもの。おどろおどろしい世界が迫力いっぱいに迫ってくる。
『embryo』や『JESSICA』などシングル曲も多数収録した、セルフ・プロデュースによるサード・アルバムが登場。世の中の戯れ言をすべて破壊し尽くしてしまうかのよう、とにかく攻撃的な音を次々と投げかけてくる彼ら。鋭利な表情の波状攻撃にかなりヤラれた。
視覚的な刺激性を取り沙汰されることの多いバンドだが、見た目に負けず劣らず音のほうの刺々しさ、カオティックな密度の濃さというのも尋常ではない。冒頭2曲のスリリングな繋がりようも快感だが、今様さをアピールしつつも関西系センス炸裂の(3)もサイコー。
ヒット曲の「ゆらめき」を含むDir en greyの13曲入りアルバム。元X JAPANのYOSHIKIプロデュースらしくメロディを生かしながらもサウンドはヘヴィです。歌詞のサイコな感じが、身体の中に誰もが持っている残酷性を引き出してくれてヤバいですな。