ガイドコメント
大ヒットの波に乗って、エルトンが前作と同年の75年にリリースし、これまた初登場1位となったアルバム。ヒット曲「アイランド・ガール」収録。
収録曲
01MEDLEY; YELL HELP|WEDNESDAY NIGHT|UGLY
T・レックスばりのブギ「助けて!」から始まるメドレー。風変わりなバラード「水曜の晩じゃないといい…」を経て、再びブギに戻り、さらに狂騒的な「厄介女」へと到る。これまでになく暴力的なサウンドが新生エルトン・バンドのライヴ感覚のスタイルを象徴している。
02DANDARE (PILOT OF THE FUTURE)
未来の宇宙飛行士ダン・デアについて歌った曲。ヴォイス・モジュレーターが彩るファンキーなバンド・サウンドをバックに、エルトンが力強く歌っている。エルトン&トーピンのユーモアのセンスを理解できればさらに楽しむことができる曲だ。
03ISLAND GIRL
ジャマイカからやって来た街娼について歌ったチャーミングなポップ・ソング。マリンバやパーカッションをフィーチャーしたカリビアンなサウンドとキャッチーなメロディが聴き手を誘惑する。シンセサイザーやメロトロンも効果的。通算5曲目の全米No.1ヒットを記録。
04GROW SOME FUNK OF YOUR OWN
大好きなストーンズ・サウンドをエルトン流にリメイクした強力なロック・チューン。新生エルトン・バンドらしいライヴ感覚の、しかし細部も凝っているサウンドが楽しめる。マッチョなメキシコ人に殴られたエピソードを基にした歌詞も面白い。全米14位のヒットを記録。
05I FEEL LIKE A BULLET (IN THE GUN OF ROBERT FORD)
ピアノとヴィブラフォンが美しく絡み合うロマンティックなロスト・ラブ・バラード。絶妙のファルセットを含むエルトンのヴォーカルが素晴らしい。ジェシー・ジェイムズを殺した男の銃の弾丸に自身の気持ちを託した比喩も秀逸。シングル「今夜は怖いぜ!」B面収録曲。
06STREET KIDS
不穏なフィードバック・サウンドから始まるワイルドなロック・チューン。喧嘩や犯罪を繰り返すロンドンのイーストエンドの不良少年の独白を、エルトンが表情豊かに歌っている。新生エルトン・バンドのツイン・リード・ギターが活躍するハード・ロッキンな曲。
07HARD LUCK STORY
遠くで鳴っているバンド・サウンドが徐々に近づいてくるファンキーなロック・チューン。離婚寸前の夫婦の関係が仕事に忙殺されている夫の視点から歌われている。キキ・ディーらのパワフルなコーラスがエルトンのヴォーカルを力強くバック・アップしている。
08FEED ME
不安感を煽るようなリフから始まる曲。エレクトリック・ピアノやパーカッションをフィーチャーしたR&B調のサウンドをバックに、被害妄想気味の男の独白をエルトンがソウルフルなヴォーカルで歌っている。2匹の蛇のように絡み合うツイン・リード・ギターも秀逸。
09BILLY BONES AND THE WHITE BIRD
ボ・ディドリーばりのヘヴィなジャングル・ビートに乗って豪快に歌われるタフな船乗りの歌。波の音のSEも挿入されるパワフルなフックや“Check it out”の連発が楽しい。スティーヴンソンの小説『宝島』の海賊ビリー・ボーンズの名が登場する歌詞も面白い。
10DON'T GO BREAKING MY HEART