ガイドコメント
バンド結成25周年を記念して86年に発売された記念盤。85年発表の『ザ・ビーチ・ボーイズ』からは(23)が収録。ロジャー・マッギン参加の(25)や未発表曲(24)の収録も話題に。全米96位。
収録曲
01SURFIN' SAFARI
02409
03SURFIN' U.S.A.
ニュースやバラエティ番組で放送されるサーフィンの映像などでは、いまだに使われる機会も多い1963年のヒット曲(全米3位)。チャック・ベリーの曲を拝借して作られた軽妙なサウンドは、彼らの代名詞的な一曲となった。
04BE TRUE TO YOUR SCHOOL
ホーソン高校の応援歌をモチーフにしたビーチ・ボーイズ版の学園讃歌。このアルバム・ヴァージョンはメンバーの演奏によるものだが、シングル・ヴァージョンは15名のミュージシャンによる鼓笛隊にハニーズのチアリーダーが加わった賑やかなもの。
05SURFER GIRL
イノセンスの象徴のような名曲。ブライアンの美しいファルセットがやさしく語りかけるフォー・フレッシュメン・スタイルのバラッド。完全主義者ブライアンがサヴァイヴァーズとの録音を選択したため、彼以外のメンバーは不参加。全米3位のヒットを記録。
06DANCE, DANCE, DANCE
躍動感あふれるギター・リフから始まるダンス讃歌。「アイ・ゲット・アラウンド」のスタイルを応用しながら、12弦ギターやカスタネットを効果的に使ったダイナミックなサウンドを作り上げている。ビートルズへの対抗心も感じさせる強力な楽曲。
07FUN, FUN, FUN
「サーフィンUSA」同様、チャック・ベリーのスタイルを踏襲したホット・ロッド・ナンバー。デニスの恋人について書いたというマイクの歌詞も見事だが、何よりもシンフォニックなコーラスが絶品。初期ビーチ・ボーイズを代表する傑作。全米5位のヒットを記録。
08I GET AROUND
サーフィン/ホットロッド時代のピークを象徴する名曲。ヴォーカルとコーラスで始まるイントロが強力で、マイクのコーラスとの絡みも絶妙。初期ビーチ・ボーイズならではの醍醐味を満載した初の全米No.1ヒット。
09HELP ME, RHONDA
新たに録り直したシングル・ヴァージョン。アルバム版よりもテンポを速め、リズム・セクションとコーラスを強化し、スライド・ギターを効果的に使っている。“ロンダ”のスペルも変更された。ビーチ・ボーイズにとって2曲目の全米No.1ヒット。
10DON'T WORRY BABY
最も完成度の高い曲のひとつ。極上のメロディと最高のサウンドが共存し、ブライアンのヴォーカルとコーラスの美しさも絶品。思春期の恋心を描いた秀逸な歌詞も含めて、ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」にも匹敵するエヴァグリーンなポップ・ソングの傑作。
11CALIFORNIA GIRLS
『ペット・サウンズ』以前と以後との間に位置する永遠のカリフォルニア讃歌。新たにブルース・ジョンストンが加わった力強いヴォーカル・ハーモニーはまさに圧巻。ブライアンが後から付け加えたシンフォニックなイントロの美しさも忘れ難い。
12WHEN I GROW UP (TO BE A MAN)
大人になることへの不安を歌った曲。ハープシコードの使い方、変則的なリズム・パターン、複雑なコーラスなど、レコーディング・アーティストとしてのブライアンとビーチ・ボーイズの成長を感じさせる。コーラスが年齢を数えるアイディアも秀逸。
13BARBARA ANN
14GOOD VIBRATIONS
天才ブライアン・ウィルソンのマニアックな狂気が作り上げた稀代の傑作。90時間を超える録音テープを3分36秒に凝縮したポップ・ソングの芸術。さまざまな要素を結合し、五つのパートで構成したポケット・シンフォニー。電子楽器テルミンも効果的。
15HEROES AND VILLAINS
幻のアルバム『スマイル』の中心になるはずだったヴァン・ダイク・パークスとの共作曲。このシングル・ヴァージョンは縮小版だが、異様な密度で詰め込まれた音の洪水の中で溺れそうだ。60年代半ばのアメリカの現実を反映した物語風の歌詞も秀逸。
16WOULDN'T IT BE NICE
結婚への憧れを歌った曲。ドラムスとティンパニーが強力だが、それ以上に力強いのがブライアンの歌声。コーラスとサウンドとの一体感や場面転換の鮮やかさなども見事なものだが、何よりも彼の歌声が持っている夢見るパワーが素晴らしい。
17SLOOP JOHN B.
カリブ系フォーク・ソングのカヴァー。アル主導のシングル曲だから『ペット・サウンズ』の中では異色の1曲だが、ビーチ・ボーイズならではのコーラスを活かしたポップ・ソングとしての仕上がりは高品質。全米チャート3位のヒットを記録した。
18GOD ONLY KNOWS
「天国から降りてくるようなサウンド」を目指したブライアンのポケット・シンフォニーの傑作。題名に「God」を使った初めてのポップ・ソング。彼はこの名曲をたった7分で書いたという。サイケデリック時代のビートルズに大きな影響を与えた曲のひとつ。
19CAROLINE, NO
名盤『ペット・サウンズ』の最後を飾る名曲。ハープシコードやヴァイブの音色が心に残るサウンドとブライアンの歌声が奏でる美しいメロディがせつない。演奏が終わった後、踏切りの信号音と列車の通過音が聞こえ、ブライアンの愛犬たちが吠えている。
20DO IT AGAIN
21ROCK AND ROLL MUSIC
22COME GO WITH ME
23GETCHA BACK
マイク・ラヴとテリー・メルチャーの共作曲。派手なシンセ・ドラムやフェアライト経由のコーラスなど、オールド・ファンを戸惑わせる要素もあるが、ブライアンのファルセットが聴こえれば、それだけで気分は60年代。全米チャート26位のヒットを記録。
24ROCK'N ROLL TO THE RESCUE
25CALIFORNIA DREAMIN'