ガイドコメント
74年にリリースされたベスト盤は、LP2枚組にもかかわらず全米1位を獲得し彼らの人気再燃に大貢献した。“ブライアン選曲”説が流れたくらい充実した選曲がなされている。
収録曲
01SURFIN' SAFARI
02SURFER GIRL
イノセンスの象徴のような名曲。ブライアンの美しいファルセットがやさしく語りかけるフォー・フレッシュメン・スタイルのバラッド。完全主義者ブライアンがサヴァイヴァーズとの録音を選択したため、彼以外のメンバーは不参加。全米3位のヒットを記録。
03CATCH A WAVE
04THE WARMTH OF THE SUN
1963年11月23日、ケネディ大統領暗殺の知らせを聞いたブライアンとマイクがその喪失感を恋人との別離に置き換えて表現したバラッドの名曲。ファルセットで歌うブライアンの悲痛な歌声とそれを慰めるようなコーラスとの絡みが美しい。
05SURFIN' U.S.A.
ニュースやバラエティ番組で放送されるサーフィンの映像などでは、いまだに使われる機会も多い1963年のヒット曲(全米3位)。チャック・ベリーの曲を拝借して作られた軽妙なサウンドは、彼らの代名詞的な一曲となった。
06BE TRUE TO YOUR SCHOOL
ホーソン高校の応援歌をモチーフにしたビーチ・ボーイズ版の学園讃歌。このアルバム・ヴァージョンはメンバーの演奏によるものだが、シングル・ヴァージョンは15名のミュージシャンによる鼓笛隊にハニーズのチアリーダーが加わった賑やかなもの。
07LITTLE DEUCE COUPE
08IN MY ROOM
4声のヴォーカル・ハーモニーをフィーチャーしたバラッドの名曲。歌詞には内向的な天才少年ブライアンの孤独や不安がよく表われている。自意識過剰のロック・ソングの元祖として高く評価する声もあるが、何よりも音楽的に美しい。
09SHUT DOWN
ブライアンとロジャー・クリスチャンとの初の共作曲。スティグレイとシヴォレー413によるホット・ロッド・レースの模様をマイクが歌っている。間奏の2音サックスもマイクによるものだが、これはライヴでも彼の見せ場のひとつとなった。
10FUN, FUN, FUN
「サーフィンUSA」同様、チャック・ベリーのスタイルを踏襲したホット・ロッド・ナンバー。デニスの恋人について書いたというマイクの歌詞も見事だが、何よりもシンフォニックなコーラスが絶品。初期ビーチ・ボーイズを代表する傑作。全米5位のヒットを記録。
11I GET AROUND
サーフィン/ホットロッド時代のピークを象徴する名曲。ヴォーカルとコーラスで始まるイントロが強力で、マイクのコーラスとの絡みも絶妙。初期ビーチ・ボーイズならではの醍醐味を満載した初の全米No.1ヒット。
12THE GIRLS ON THE BEACH
13WENDY
14LET HIM RUN WILD
15DON'T WORRY BABY
最も完成度の高い曲のひとつ。極上のメロディと最高のサウンドが共存し、ブライアンのヴォーカルとコーラスの美しさも絶品。思春期の恋心を描いた秀逸な歌詞も含めて、ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」にも匹敵するエヴァグリーンなポップ・ソングの傑作。
16CALIFORNIA GIRLS
『ペット・サウンズ』以前と以後との間に位置する永遠のカリフォルニア讃歌。新たにブルース・ジョンストンが加わった力強いヴォーカル・ハーモニーはまさに圧巻。ブライアンが後から付け加えたシンフォニックなイントロの美しさも忘れ難い。
17GIRL DON'T TELL ME
18HELP ME, RHONDA
新たに録り直したシングル・ヴァージョン。アルバム版よりもテンポを速め、リズム・セクションとコーラスを強化し、スライド・ギターを効果的に使っている。“ロンダ”のスペルも変更された。ビーチ・ボーイズにとって2曲目の全米No.1ヒット。
19YOU'RE SO GOOD TO ME
20ALL SUMMER LONG
メンバー全員の爽やかなコーラスをフィーチャーしたイノセントな夏の唄。軽快なシャッフル・ビートとシロフォンの音色が心地よい。ジョージ・ルーカス監督の映画『アメリカン・グラフィティ』のエンディングでも効果的に使われていた。