ガイドコメント
本国で“過去のバンド”扱いされていく一方、イギリスではビートルズに匹敵する人気を集めていた彼らの68年の公演を収録。イギリスでは70年に、アメリカではずいぶん遅れて76年に発表された。
収録曲
01DARLIN'
若きカールのソウルフルな歌声をフィーチャーした名曲。緻密なコーラスと控えめなブラスを配したサウンドもよくできているが、やはり当時20歳のカールの熱唱が光る。デヴィッド・キャシディや山下達郎もカヴァーした1967年の傑作。
02WOULDN'T IT BE NICE
結婚への憧れを歌った曲。ドラムスとティンパニーが強力だが、それ以上に力強いのがブライアンの歌声。コーラスとサウンドとの一体感や場面転換の鮮やかさなども見事なものだが、何よりも彼の歌声が持っている夢見るパワーが素晴らしい。
03SLOOP JOHN B
カリブ系フォーク・ソングのカヴァー。アル主導のシングル曲だから『ペット・サウンズ』の中では異色の1曲だが、ビーチ・ボーイズならではのコーラスを活かしたポップ・ソングとしての仕上がりは高品質。全米チャート3位のヒットを記録した。
04CALIFORNIA GIRLS
『ペット・サウンズ』以前と以後との間に位置する永遠のカリフォルニア讃歌。新たにブルース・ジョンストンが加わった力強いヴォーカル・ハーモニーはまさに圧巻。ブライアンが後から付け加えたシンフォニックなイントロの美しさも忘れ難い。
05DO IT AGAIN
原題は「Do It Again」。「サーフィン/ホット・ロッド時代に戻ろう」と訴えるマイクの歌詞と「英雄と悪漢」から派生したブライアンのテクノな音楽性とのミスマッチな結合による不思議なサウンド。アンドロイドがサーフィンしているようなイメージだろうか。
06WAKE THE WORLD
07AREN'T YOU GLAD
08BLUEBIRDS OVER THE MOUNTAIN
09THEIR HEARTS WERE FULL OF SPRING
10GOOD VIBRATIONS
天才ブライアン・ウィルソンのマニアックな狂気が作り上げた稀代の傑作。90時間を超える録音テープを3分36秒に凝縮したポップ・ソングの芸術。さまざまな要素を結合し、五つのパートで構成したポケット・シンフォニー。電子楽器テルミンも効果的。
11GOD ONLY KNOWS
「天国から降りてくるようなサウンド」を目指したブライアンのポケット・シンフォニーの傑作。題名に「God」を使った初めてのポップ・ソング。彼はこの名曲をたった7分で書いたという。サイケデリック時代のビートルズに大きな影響を与えた曲のひとつ。
12BARBARA ANN