ガイドコメント
昨年7月に一旦リリースが発表されたものの諸事情により発売延期となっていたユーミンの新装再発17作品が、めでたく正式リリース決定!! 結婚後初(つまり松任谷名義となって初)のアルバム『紅雀』から80年代の最後を飾ったアルバム『LOVE WARS』まで、どれもこれも“一家に一枚”級の強力アルバム。まだお持ちでない方は、今回の再発を機に一気に揃えちゃいましょうね。
収録曲
01Valentine's RADIO
アルバムの冒頭を飾る8ビートのシンセ・ロック。ラジオへのリクエストを通して、恋人に仲直りしようと伝える歌。洗練されたコード進行に乗るキャッチーなメロディと江口信夫の強力にグルーヴするドラムが聴きどころ。
02WANDERERS
03LOVE WARS
テレビ・ゲームのエッセンスを取り入れた、ユニークな恋愛応援ソング。ファンタジックな歌詞と勇敢な雰囲気に満ちたサウンドが魅力。冒頭の歌詞から、ゲーム世代に「外に出て恋をしなさい」と訴えているとも受け取れる。
04心ほどいて
ややベタなエレピ・フレーズで始まるライト・バラード。自分の結婚式にかつての恋人が参列する設定で、心の中で最後のお別れを告げる切なくも前向きなナンバー。フィクショナルな曲を得意とするユーミンらしい1曲。
05Uptownは灯ともし頃
家出をテーマにしたライト・ポップ。山の手育ちのお嬢さんが人生初めての大きな賭けに出る設定。後ろを振り返っているので行く末が案じられるのがポイント。矢野顕子のような浮遊する高音域でのヴォーカルが特徴的。
06トランキライザー
ブラスとのユニゾンが印象的な、軽快な失恋ソング。恋人をとられた女性がそのショックから眠れなくなってしまうというユニークな設定。眠れそうで結局目が覚めてしまう間奏パートなど、粋なアレンジが施されている。
07ホームワーク
学校を舞台にした恋愛ソング。手強いライバルが現われたことで本気モードになる少女の歌。スティール・パン音の軽快なソロや“シュビドゥバ”をもじったユーミン自身によるコーラスなど、キュートなサウンドが魅力。
08届かないセレナーデ
哀愁漂うラテン・ポップ・ナンバー。かつて恋人と暮らした街で独り年を越す、切ない失恋ソング。情感のこもったユーミンのヴォーカルや内外の豪華ミュージシャンによる重厚なバッキング・アンサンブルが聴きどころ。
09Good-by Goes by
ビョンビョン鳴るシンセ・ベースが印象的なミディアム・ナンバー。傷ついた自分から立ち直ろうとするポジティヴな失恋の歌で、“にわか雨”という設定からも明るい未来が感じられる。ユーミンがコーラスも歌っている。
10ANNIVERSARY
ユーミンが時代のカリスマに君臨した80年代の最後を飾った名盤『LOVE WARS』のラストに収録されたバラード。まさにアニヴァーサリー・イヤーを締めくくるにふさわしい、堂々たる完成度だ。