収録曲
01未来は霧の中に
7枚目のアルバム『OLIVE』のオープニング・チューン。東京オリンピックや月面着陸といった1960年代の世相と当時の自分を思い起こすノスタルジックな歌。ヴォコーダーを用いた2番のAメロが印象的。
02青いエアメイル
オーソドックスなラブ・バラード。外国へ行った恋人からの手紙をモチーフに、切ない想いと“あなた”への愛をストレートに綴る。“傘をほほでおさえる”など、小説かドラマのようなユーミンらしいシーン描写が魅力。
03ツバメのように
飛び降り自殺をした若い女性の歌。感傷的にも冷酷にも偏らない客観的な視点と、“ユーミン節”といえるインパクトの強いサビが魅力。ユーミンは日頃から漠然と意識しているのか、死をテーマにした曲は少なくない。
04最後の春休み
ユーミンの得意なストーリー仕立てのラブ・ソング。卒業を迎えた少女がずっと好きだった人への想いを綴る切ない物語。多くの人が共鳴しそうな気の利いた設定と心理描写から、彼女の深い洞察力がうかがい知れる。
05甘い予感
アン・ルイスに提供した楽曲のセルフ・カヴァー。心が最もときめく恋愛初期の初々しいラブ・ソング。ユーミンのヴォーカルからバックのリズム、サックス・ソロまですべてが軽やかで、実にハッピーな雰囲気に満ちている。
06帰愁
フォルクローレを取り入れた歌謡ポップス。かつての恋人と再会したものの、素直に本当の気持ちを言えなかった女性の後悔と未練がテーマ。“ララララララ”や“なみだ雲ばかり”など、ユーミン特有の節回しが聴きどころ。
07冷たい雨
ハイ・ファイ・セットのヴァージョンでも知られる軽快な失恋ソング。喧嘩をして出て行き、部屋に戻ったらもう別の女が居たというショッキングなストーリー。クレジットからユーミンが結婚前に作ったと考えられる。
08風の中の栗毛
わずかにメルヘンの香りがする軽快な8ビート・ポップス。失った愛を取り戻そうとする歌のようだが、抽象的な表現が多いので聴き手によって様々な解釈ができる。ポップスには珍しくベース・ソロが展開されている。
09稲妻の少女
シングル「帰愁」にカップリング収録された、キャッチーな極上ポップ・ソング。無邪気なまでにサーフィンを愛し、男の扱いにも手慣れている元気少女の歌。ユーミンのチャーミングなヴォーカルを堪能できる。
10りんごのにおいと風の国
7枚目のアルバム『OLIVE』のラストを飾る物憂気なバラード曲。秋から冬へと季節が変わる頃に恋人と別れる物語で、相手を許したくない気持ちと、正直な未練が交錯する複雑な心情を巧みに表現した名ナンバー。