ミニ・レビュー
87年の夏に行なわれたソ連公演の模様を収録したライヴ作。御馴染みの自作曲以外に、ビートルズの「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」やボブ・ディランの「時代は変る」をカバーしている。それが、いかにも象徴的。MCには、ロシア語の通訳が入っている。
収録曲
01ODOYA
グルジア共和国の合唱団、ジュルナリストによるグルジア民謡。87年夏、コンサートのためにビリーがソ連(現ロシア)を訪れた際に録音されたものだと思われる。ライヴ盤の冒頭に収録した意図は“異国情緒込みのロシア版序曲”といったところか。
02ANGRY YOUNG MAN
87年7月、ソ連(現ロシア)のモスクワとレニングラード公演でのライヴ録音。『ニューヨーク物語』からの選曲。ビリーの速弾きピアノから始まるこの曲は、ライヴのオープニングにはふさわしい。バンドの勢いを重視した荒っぽい演奏が楽しめる。
03HONESTY
04GOODNIGHT SAIGON
05STILETTO
06BIG MAN ON MULBERRY STREET
07BABY GRAND
08AN INNOCENT MAN
09ALLENTOWN
87年7月、ソ連(現ロシア)のモスクワとレニングラード公演でのライヴ録音。『ナイロン・カーテン』からの選曲。ビリーの楽曲解説(+通訳)付きで演奏された。バックグラウンド・ヴォーカル陣にも見せ場がある曲。
10A MATTER OF TRUST
11ONLY THE GOOD DIE YOUNG
12SOMETIMES A FANTASY
13UPTOWN GIRL
14BIG SHOT
15BACK IN THE U.S.S.R.
87年7月、ソ連(現ロシア)のモスクワとレニングラード公演でのライヴ録音。ビートルズのあの曲のカヴァー。当たり前すぎる初歩的な選曲という声もあったようだが、ソ連でロック・コンサートをやるのなら、やはりこれを演奏しないわけにはいかない。
16THE TIMES THEY ARE A CHANGIN
87年7月、ソ連(現ロシア)で収録されたライヴ音源。ボブ・ディランのあの曲をギターの弾き語りでカヴァー。10歳くらい若返ったかのようなビリーのセンシティヴな歌声が聴ける。ディランのこの曲をソ連で歌う、ということ自体がひとつの事件だった。