収録曲
01タワー・サイド・メモリー
12枚目のアルバム『昨晩お会いしましょう』のオープニング曲。シャレたサウンド全開のコンテンポラリーなポップスで、神戸のベイエリアを舞台にした少女の失恋を描く。ユーミン得意のフィクショナルな1曲。
02街角のペシミスト
都会に出て来た若い女性をモチーフにしたシックなナンバー。不安を消すために刺激を求めて夜の街にくり出す彼女たちを、理解しながらも“ペシミスト(=悲観論者)”とレッテルを貼ってしまう客観的な歌詞が特徴的。
03ビュッフェにて
コンテンポラリーで落ち着いたサウンドの失恋ソング。強がってみたり謝ってみたりする、女性らしいリアルな心情描写が魅力。規則的なリズムを刻むバッキング演奏が、いかにも列車に揺られている感じを演出している。
04夕闇をひとり
洗練された旋律が印象的なコンテンポラリー・ナンバー。ユーミンの定番と言える失恋ソングだが、相手の新しい恋人の元を訪ねてしまうほど未練を引きずっているのが特徴的。“夕闇”という単語は精神的な意味合いが強い。
05守ってあげたい
女性が男性を守るという“スーパーウーマン”ユーミンを象徴する曲として、ユーミン研究家の間では認知されているが、そんなことはどうでもよくなるほど感動的な国民的名曲でしょう! 何度聴いても落涙。
06カンナ8号線
朗々たるエレキ・ギターのイントロが有名なミディアム・ナンバー。普通なら見落としてしまう、道路の中央分離帯に咲くカンナの花が素材になっている点もユーミンらしい。コンサートでは定番の曲。
07手のひらの東京タワー
ユーミンの曲に多いシックなコンテンポラリー・ナンバーのひとつ。東京タワーの形をした鉛筆削りをプレゼントするという素朴な内容だが、手のひらに収まるというところに“私”の壮大な想いが込められている。
08グレイス・スリックの肖像
若かりし日を思い出すことで今までの自分を振り返る重いバラード曲。取り返しのつかないことをしたような重々しさと失われた時間を取り戻すような切なさが印象的。意味深なイントロとエンディングのフレーズに注目。
09グループ
ユーミンらしい秀逸な曲展開が際立つポップ・チューン。友人の結婚式で憧れだった人に会えることを楽しみに、色々と想像を巡らすチャーミングな歌。フルートがユニゾンを奏でるサビのメロディが実に軽やかでハッピー。
10A HAPPY NEW YEAR
ユーミンのアルバムの中でも、とりわけコンセプト・アルバム的な印象を残す『昨晩お会いしましょう』のラストに収められたバラード。何とも言えぬ静寂感が、聴き終えた後にエコーのような深い余韻を残してくれる。