ガイドコメント
80年に発表された10枚目のアルバム。映画『私をスキーに連れてって』の主題歌となった「恋人がサンタクロース」などを含む、夏と冬のリゾートにぴったりの楽曲がならんでいる。
収録曲
01彼から手をひいて
ヒット作『SURF&SNOW』の冒頭に相応しい軽快なポップ・チューン。“彼”を独占するために他の女性を蹴散らすという、初々しいラブ・ソング。バック・コーラスとの掛け合いやブロウするサックス・ソロなどが特徴的。
02灼けたアイドル
グルーヴィなイントロではじまるアダルト・コンテンポラリー曲。ビラ配りに成り下がったかつてのビーチのアイドルを通して、大人になる淋しさと淡いノスタルジーを歌う。80年代らしいシャレたサウンドが特徴的。
03人魚になりたい
別れる恋人との最後のダンスをドラマティックに描いたナンバー。控えめなAメロから、雰囲気を一変させるユーミンらしいキャッチーなサビへの展開が聴きどころ。大人の理想的な美しい別れ方のひとつと言えそうだ。
04まぶしい草野球
野球に夢中になる“あなた”を見に、お弁当を持って初めて球場を訪れる歌。歓声のSEやいわゆる“タメ”のリズムが特徴的なナンバーで、ハッピーで清々しい雰囲気に満ちている。当時の不二屋CMソングになった。
05ワゴンに乗ってでかけよう
ユーミンには珍しく男性側の立場を意識した、オールディーズ風ロック。ワゴンを直して旅に出よう、恋人を乗せようと、若者を鼓舞するポジティヴな内容。ベースとギターのユニゾンによるリズミカルなフレーズが特徴的。
06恋人がサンタクロース
バブル全盛期に一大ブームを巻き起こしたホイチョイプロダクション制作(通称“ホイチョイムービー”)の映画『私をスキーに連れてって』の主題歌となり、リヴァイヴァル・ヒットとなったユーミンの代表曲。
07シーズンオフの心には
往年のムード音楽のような華麗なコーラスで始まる、ハワイアン風ナンバー。避暑地での泡沫の恋をテーマにした傷心ソングで、失恋ゆえに“心はシーズンオフよ”と歌う。淋しさを和らげる美しいストリングスが印象的。
08サーフ天国、スキー天国
リゾート・ミュージックの草分け的存在『サーフ・アンド・スノウ』に収録された、アルバム・イメージを象徴する一曲。1番がサーフィン、2番がスキーという、ひとつの曲の中で2シーズン楽しめる曲も、この曲くらいでは?
09恋人と来ないで
岡田眞澄とのデュエット曲。2人だけの想い出にするため、最後の場所となるカフェテリアには新しい恋人を連れて来ないでと願う切ないバラード。岡田眞澄のシナトラのような低い渋い声が大人の雰囲気を醸し出している。
10雪だより
『SURF&SNOW』のラストを飾るミディアム・バラード。スキー場で出会った人からの葉書をテーマにした切ないナンバー。エレピの柔らかいサウンドやゆったりとしたリズムなど、オーソドックスな仕上がり。