ミニ・レビュー
SACDとのハイブリッド盤であるが、通常のCDプレーヤーでも音は極上。SACDの特徴の密な高音質に加えアナログ的な温かさがあるので、この60年代ストーンズのギラギラした“ムキだしロック感”がストレートに伝わってくるのでヨロシイ。ブライアンのヒップさもなおグー!
ガイドコメント
米国での3rdアルバムで、『12×5』からわずか4ヵ月でリリースされた1965年作品。おなじみチャック・ベリー・カヴァーをはじめ、オリジナルなどで構成。ブルース好きのアナタに。
収録曲
01EVERYBODY NEEDS SOMEBODY TO LOVE
ソロモン・バークがバート・ラッセルとジェリー・ウェクスラーとで共作し、1964年にヒットさせた。後にウィルソン・ピケットもヒットさせ、ブルース・ブラザースでもお馴染みの軽快なリズム&ブルース曲。ピアノはイアン・スチュアート。
02DOWN HOME GIRL
ニール・ヤングやフィル・スペクターなどを手がけたアレンジャー/プロデューサー/ミュージシャンのジャック・ニッチェがピアノに参加。ジェリー・リーバーとアーサー・バトラーのコンビによる作品でブルース・ハープが全体をブルージィに染めている。
03YOU CAN'T CATCH ME
ヒットこそはしなかったが、チャック・ベリーが1956年にシングル・リリースしたロックンロール。チャック・ベリーは、ビートルズの「カム・トゥゲザー」がこの曲を盗作しているということで訴え、そのことにより有名になった曲でもある。
04HEART OF STONE
ミック・ジャガーとキース・リチャーズの共作によるソウル・ナンバー。アメリカにおける5枚目のシングルとして1964年12月に発売され、翌年2月の19位が最高位。ストーンズ・ファンの間では初期の名曲としてこの作品を取り上げる人が多い。
05WHAT A SHAME
シングル「ハート・オブ・ストーン」のB面曲。ミック・ジャガーとキース・リチャーズのオリジナル作品で、この時期のストーンズらしいブルース・ナンバー。スライド・ギター、ブルース・ハープ、ピアノ、そしてミックの歌が存分楽しめる。
06MONA (I NEED YOU BABY)
1950年代、60年代のロックンロールに多大なる影響を与え、輝かしい業績を残した黒人アーティスト、ボ・ディドリー1957年の作品。マラカス、手拍子、タンバリン、そしてトレモロを活かしたギターがシンプルなのに味を出している。
07DOWN THE ROAD APIECE
1940年代に数々の名曲を輩出したドン・レイの作品。オリジナルは1946年にエイモス・ミルバーンにより発表。後の1960年にチャック・ベリーも取り上げ、ストーンズはそのチャック・ベリーの演奏をもとにカヴァー。
08OFF THE HOOK
1964年、シングル「リトル・レッド・ルースター」のB面として発表され、当時のクレジットは“Nanker Phelge”だったが、アルバムに収録の際にジャガー/リチャーズに変更。単調な曲をミックの歌唱が助けている。
09PAIN IN MY HEART
ニューオリンズの名プロデューサー、アラン・トゥーサンの作品。1963年にソウルの巨人、オーティス・レディングによってヒットした曲のカヴァーで、バラード系のリズム&ブルースをきかせてくれる。ジャック・ニッチェも参加。
10OH BABY (WE GOT A GOOD THING GOIN')
テキサス出身の女性ソウル・シンガー・ソングライター/ギタリスト、バーバラ・リン・オーゼン、1964年のヒット曲をカヴァー。オリジナルよりもさらにテキサス臭いリズム&ブルースに仕上げ、ミックのソウルフルな歌声も冴えわたる。
11LITTLE RED ROOSTER
ウィリー・ディクソン作でハウリン・ウルフが1961年にレコーディングしたものをカヴァー。1964年にイギリスで5枚目のシングルとして発売され、1位を記録している。ファンからの支持の高いディープなブルース・ナンバー。
12SURPRISE, SURPRISE
ミック・ジャガーとキース・リチャーズの共作で、ブルース、R&Bのカヴァーが多かったこの時期としては数少ない軽快なロック・ナンバー。発表から6年後の1971年、「ストリート・ファイティング・マン」のB面としても発売された。