
ストーンズのブルース・アルバムのリリースに呼応して制作された2枚組コンピレーション。DISC 1は同タイトルのブルース・アルバムに収録された楽曲をオリジナル・アーティストのヴァージョンで収録。DISC 2は初期のアルバムでカヴァーされたブルース・ナンバーをオリジナル・ヴァージョンで収録という優れもの。★

ストーンズ史上初となるオリジナル・ソングを含まないアルバムで、リトル・ウォルターをはじめとするシカゴ系中心のブルース・ナンバーが全編を占める。ミックが存分にブルース・ハープを吹き、かつてグループ入りを希望したエリック・クラプトンがサポートしている。

1965年4月のパリ公演(バンドにとって初のフランス公演)をメインに、同年3月のリバプール公演からの曲を追加したライヴ・アルバム。音質はお世辞にもよいとはいえないが、この粗さがむしろ50年前のライヴの熱狂を伝えており、演奏の前のめり感もいい塩梅でスピーカーからあふれてくる。

海賊版で出回っていたBBCでのライヴ音源の公式リリース盤。1964年春夏にBBC『The Joe Loss Show』に出演したものを中心に編まれた一枚で、デビュー間もない彼らのふてぶてしさが滲みでたプレイが堪能できる。ジャングル・ビートで跳ねまくる「ノット・フェイド・アウェイ」がなんとも痛快。

ストーンズにとっての憧れの場所だったシカゴのチェス・スタジオでデビュー直後の1964年に録音されながら未発表だったアウトテイク8曲に、TV出演時のライヴ4曲をまとめた発掘音源集。まだブライアン・ジョーンズがリーダーだった初期の彼らの初々しいブルース・バンドぶりが微笑ましくも新鮮だ。

レコード・デビューしてから1年強のあいだ、1963年11月〜64年9月にかけてロンドンで行なった5つのセッションから13曲を収録。権利関係をクリアした形では未発表だったレア音源のようだ。バディ・ホリーの「ノット・フェイド・アウェイ」から始まり、「As Tears Goes By」の原曲で締め。どれも瑞々しい。

“デラックス・エディション”シリーズ第3弾は、71年に自身のレーベルから放った初アルバム。気になるボーナス・ディスクだが、ファンには有名なクラプトン入り「ブラウン・シュガー」、11分を超える「ミッドナイト・ランブラー」のライヴなど10曲。20頁もの解説を読みながら聴くとなおさら感慨深い。

おなじみのストーンズ・ナンバーをボッサ・アレンジでカヴァーするというコンピレーション盤。アルゼンチンの女性シンガーが中心となってカヴァーしているのだが、何と言ってもその絶妙のアレンジが聴きもの。特にアップ・テンポの曲をウィスパー・ヴォイスでスタイリッシュに仕上げるあたりは何とも粋だ。★

50周年を記念して発表されたオールタイム・ベストにはシングル曲やライヴでおなじみの曲などが50曲収録(3枚組ヴァージョン)。50年目の新曲をはじめ、R&B、ブルースに根ざしたロック・サウンドのブレのなさを俯瞰できるという意味で、作品は単なるベスト盤を超えた歴史書の趣すら感じることができる。

結成50周年の2012年、サントリーとストーンズのコラボ商品「ストーンズバー」のCMソングに抜擢された『メイン・ストリートのならず者』(72年)のオープニング曲「ロックス・オフ」に、70〜80年代の代表曲を3曲収録した超入門的ベスト・シングル。若いリスナーは、まずはここから!

スコセッシ監督による映画のサントラでもあるライヴ盤。考えただけでもゾクゾクするような強力タッグだ。とりあえずは音で楽しもう。一時の輝きは失せたとはいえ、世界最強のライヴ・ロックンロール・バンドの称号は伊達じゃない。このグルーブ感は奴らだけのものだ。

CD化されていなかった曲やシングルのカップリング曲でアルバム未収録だった音源、リミックス、ブルースやR&Bのカヴァーなど16曲をまとめたレア・トラック集。まとめてきけるのが嬉しい企画だ。初回のみデジパック仕様なのでお買い逃しなく。

2002年の暮れから2003年にかけて行なわれた“LICKツアー”からベストな演奏を厳選し、再編集した彼らのライヴ決定版。ダリル・ジョーンズやチャック・リーヴェルといった名うてのプレイヤーを迎え、往年のヒット曲を惜しみなく聴かせてくれる。

75年6月にリリースされた未発表曲・別テイクなどを集めたレア音源集の初CD化。16曲中12曲がCD初登場音源で、(5)はシングル/アルバムなどで聴けるヴァージョンよりも以前に録音されており、ジミー・ペイジ参加説も根強い音源。かなりマニア向けの編集盤だ。

ストーンズのロンドン時代のシングル56曲に「ブラウン・シュガー」「ワイルド・ホース」を収録したコレクションで、89年に発表されたもののSACD化。当然、普通のCDプレイヤーでも再生可能。初期の疾走するブルース小僧ぶりが懐かしく、妬ましくもある。

72年発表のロンドン時代の2枚組ベスト第2集がボーナス・トラック3曲を加えて再登場。第1集に比べると地味な曲が並んでいるが、ストーンズの奥深さやルーツなどを知る上で外せない曲であることは変わりない。初心者は第1集と併せて聴くように。

72年1月の初登場から5年にわたって全米チャートにランクされた、ストーンズ最大のロング・セラー。デッカ/ロンドン時代を中心にローリング・ストーンズ・レーベルの2曲を加えた、アメリカ編集のベスト盤で、今回の再発に際して別ヴァージョンも収録されている。

リマスタリング&SACDハイブリッド仕様再発シリーズより、ミック・テイラーを迎えた布陣の初ツアーだった69年秋の全米巡業の精髄を収める70年発表ライヴ盤。熱狂的観衆を前にした鋭い演奏のキレにただ聴き惚れるのみ。“オルタモントの悲劇”まであとわずか10日ほど。

イギリスからのカントリー・ロックへの最も早い解答のひとつともいえる。ゴスペル流儀をがっちり吸収している。大コーラスがメロトロンに聴こえる。本作の骨アコースティック・ギターの繊細な手際のよさと各楽器との関係がより明瞭となったリマスター効果。

69年発表の初期ベスト・アルバム第2弾。同年に急逝したブライアン・ジョーンズに捧げられており、有名曲満載の全11曲は入門編としても重宝されるはず。DSDリマスターによる直輸入デジパック再発盤に日本語解説を封入。六角形ジャケではありません。

いわずと知れた68年発、アーシー名作。ブライアンがいた最後の作品でもある。で、例のSACD対応フォーマットによる再発売盤。ジャケは紙で三面。打楽器がポコポコなり、声やギターが飛ぶサイケ・アフロ調(1)をはじめ新奇な聴こえ具合、確かにある。

お香の匂いが漂いそうなサイケぶりの67年作。近年のライヴで演奏されたのは「2000光年のかなたに」くらいのものだが、ニッキー・ホプキンスのピアノが可愛い「シーズ・ア・レインボー」といった名曲も。リマスターで音のメリハリ、粒立ちは最高。

67年7月リリースの通算10枚目。当時のフラワー・ムーヴメントに乗じてヒット曲を寄せ集めた内容なので、純粋なオリジナル・アルバムとは言いがたい。が、ボブ・ラディックのリマスターによって非常にクリアな音の粒だちを実現しているのが新鮮。

いま話題のSACDで何度目かの再発となった67年作。『サタニック・マジェスティーズ』への伏線であり、時代の空気を反映したサイケデリック感の中にも音楽的試行錯誤が見え隠れする。ちなみに、普通のCDプレーヤーでも音の抜けが良く、より立体的に聴こえるのは気のせい?

67年にリリースされたアメリカでの9枚目のアルバム(SACDとCDのハイブリッド使用)。アンドリュー・ルーグ・オールダムがプロデュースした最後の作品で、さまざまな楽器を使った多彩なサウンド作りやフォーク・ロックぽい曲が多いのが特徴だ。

66年に発表されたストーンズ初のライヴ・アルバムがボブ・ラディックによるDSDマスタリングで再発。ブライアン・ジョーンズ在籍時代の最も良かった頃を凝縮した内容で、選曲においても今のストーンズではやらないナンバーなどが今聴いても新鮮だ。

US盤とはジャケットも収録曲も違う66年発表の不朽の名作。しかし“俺の可愛いあいつとヤりたい”だけで11分以上ってのはやっぱりすごい話だ(笑)。かつてタイガースがよりロック調なカヴァーをしていた(4)は、ブライアンのマリンバが切なく美しい名曲。

初めて全曲オリジナルで占められ、またシタールなど幻想的な音の導入で、サイケ時代の幕開けを告げたともいえる作品の米国版がこれ。冒頭に収録の大ヒット曲「黒くぬれ」の異端ぶりは当時衝撃的だったに違いないが、今回のSACD化による音質向上も衝撃的だ。

ストーンズ初期のベスト・アルバムがDSDマスタリングで登場。この頃のストーンズはミック、キースの双頭バンドでなく、リーダー格のブライアン・ジョーンズの嗜好が色濃く反映されていた。特に黒人音楽への大きなリスペクトが感じられる。これぞロック!

65年12月にリリースされたアメリカでの6枚目のアルバムのDSDマスタリング盤。(1)はほとんどパンク・ロックだが、後半にはまったりしたオリジナル曲を中心に固めた構成で、全体的には渋い雰囲気がたまらないのです。デジパック見開きジャケット。

60年代前半は日米英で同じアルバムの内容が違うことはよくあったが、このアルバムもそう。ストーンズの英国3枚目(米では4枚目)がついに初CD化(しかもモノラルときたもんだ!)。12曲中9曲がカヴァーだが、ストーンズのやんちゃなパワーが伝わる名盤。

ストーンズのSACDねえ……と当初は懐疑的だったが、なるほど“なまなましさ”がキモだった60年代中頃までのレコーディングには、思いのほか有効かも。黒人音楽の模倣からの脱却を目指して苦闘中だった時期ならではの、熱っぽい空気が伝わってくるよう。

SACDとのハイブリッド盤であるが、通常のCDプレーヤーでも音は極上。SACDの特徴の密な高音質に加えアナログ的な温かさがあるので、この60年代ストーンズのギラギラした“ムキだしロック感”がストレートに伝わってくるのでヨロシイ。ブライアンのヒップさもなおグー!

彼らが敬愛するマディ・ウォーターズやチャック・ベリーらが在籍していたチェスのスタジオでレコーディングしたアメリカでの2作目(64年発表)のデジ・パックSACD。ディープ・ブルーな「グッド・タイムズ、バッド・タイムズ」を始め、佳作揃い。

米初シングル/英サード・シングル(1)が「Mona」に換わり収録された、記念すべき64年初作の米発売版の、これはモノラル/SACDだ。米24位になったミック&キースの共作(9)、5人の共作(5)(6)以外はチャック・ベリーら米名ブルース〜R&Bのカヴァーで、その体質があらわ〜。

40年もロック・バンド続けるなんて史上最大の生体実験のように思えもするが、並んだ曲を聴けばもう20年くらいやってくれってカンジ。そんなファンでもないのにほとんどの曲を知ってる自分に驚いた。ストーンズのCDを3枚以上もってない人はどうぞ。

ストーンズが他のアーティストに提供した曲、プロデュースした曲、レコーディングに参加した曲など、60年代の英デッカ時代の録音を集めた編集盤。ジャガー/リチャーズ名義の13曲が中心だが、ビル・ワイマン制作の(13)(14)(18)(19)など、珍しい録音も少なくない。

ここまでやってくれると、レヴューするのがヤボってもの。日本を含むワールド・ツアーのライヴ盤だが、全部、スタジアム録音なのに、音がクリアにとれているのはすごい。「スタート・ミー・アップ」が聴こえてくるだけで、思わず腰が浮きあがってしまう。

97〜98年の“ブリッジズ・トゥ・バビロン”ツアーより。録音技術の発達で音がクリアになった分、どの曲も重厚な印象はほとんどない。マニア垂涎の渋めの選曲は、95年のアンプラグド・ライヴ『ストリップト』のスタジアム版といった趣。(12)は日本盤のみ収録。

最新アルバム『ブリッジズ・トゥ・バビロン』からのサード・シングル。デジタル・サウンドっぽいリミックスほか計4ヴァージョンを収録。リミックスの場合はオリジナルとの聴き比べが楽しいが、この過激さはどうだろうか。お試しを。

再来日するストーンズの4曲入りミニ・アルバム。大評判のニュー・アルバム『ヴードゥー・ラウンジ』からのファースト・シングルの2ヴァージョン(1)(4)とアルバム未収録の必聴の2曲(2)(3)を収録。ブルース調の(2)…おっと、こほん、気になるでしょ。内緒。

ブライアン・ジョーンズに捧げられた66〜69年のヒット曲集のUS盤。UK盤から「この世界に愛を」など3曲が抜けた代わりに(1)(10)の2曲が入って、曲順も大幅に変わっている。(4)で始まり(7)で終わるUK盤も素敵だが、(1)で始まり(10)で終わるUS盤も強力だ。

1966年に発表されたストーンズ初めてのベスト・アルバム。「サティスファクション」や「19回目の神経衰弱」などを含み、デビュー後数年にしてこのように内容が充実したベストをつくれたストーンズの偉大さを再確認! おなじみM.Koshitaniの解説付き。

『フラッシュポイント』からのシングル・カット第2弾はミックがねちっこいヴォーカルを聴かせるファンク・ナンバー。(1)はバックの演奏に若干の違いはあるが無視してもいいテイク。どちらかといえばアルバム未収録ライヴ(4)を重宝してしまいました。

ここまでやってくれると、レヴューするのがヤボってもの。日本を含むワールド・ツアーのライヴ盤だが、全部、スタジアム録音なのに、音がクリアにとれているのはすごい。「スタート・ミー・アップ」が聴こえてくるだけで、思わず腰が浮きあがってしまう。

『ブリッジズ・トゥ・バビロン』からのセカンド・シングルは、ダスト・ブラザーズのプロデュースが話題を呼んだ(1)とそのリミックス(4)を収録。(2)はアルバム未収録の弾き語り、(3)がライヴだが、ループ・ドラムを前面に押し出した(4)がやはりおもしろい。

『ホット・ロックス』の続編として72年に発表されたベスト・アルバム。渋めのマニアックなナンバーが並ぶ。デビューから最盛期までの60年代の絢爛なサウンドの変遷が今も輝く。往年のファンが久しぶりに聴くもよし、若いファンがルーツを体験するもよし。

来日も決まっていよいよ盛り上がってるフリークも多いことでしょうが、よく分かんないけどとりあえず凄そうだから行ってみよう、という若年層もいるだろう。そんな人もこの2枚組さえあればロートル・ファンと一緒に盛り上がれること必至のベストです。

ロック界のモンスターであることは変わりないけど、今作はロック・バンドとしての凄味よりも、名バラード「オールウェイズ・サファリング」など、ミックやキースの個人芸が光っていて、思わずグッとくる。国内盤は「アンジー」のライヴを追加収録。

『ブリッジズ・トゥ・バビロン』からのシングル第1弾。4つのミックスが収録されており、中にはかなり遊びの要素が含まれたものもある。ミックが低音の魅力を生かしたミディアム・スローのこの曲も、いずれはストーンズ・クラシックになるのだろう。

幻だった映像もほぼ30年ぶりに陽の目を見た68年作。フェリーニ映画を思わせるオープニングに、ミックのイギリス人らしい見世物小屋趣味がくっきり。プラスティック・オノ・バンドの母体となった(12)(13)が力演。やはり映像が見たくなる。

95年末に発売された話題のアコースティック・アルバム『ストリップト』からのセカンド・シングル(2)を収録した4曲入り。これは、95年3月に東芝EMIのスタジオでのセッションからのバラードで、いい、いい、の一言。ほか3曲も興味深いアルバム未収録。

映画『暗殺者』の主題歌でもあるディランの(2)を含むアコースティック・アルバム。東京録音の5曲やリスボン録音の3曲にライヴ録音を加えた全15曲。比較的地味な名曲群を疑似アンプラグド感覚で蘇生させた変則的な裏ベスト盤。悪いわけがないじゃないの。

4曲入り。アコースティック・アルバム『ストリップト』からのファースト・シングルでボブ・ディランのカヴァー(1)とそのエディット・ヴァージョン、同アルバムからの(2)、さらにアルバム未収録の(3)を収録。ファンは迷わず、買い、でしょう。

東京ドームでみんなで合唱したあの曲の4ヴァージョン入りシングル。ギターが前面に出るミックスの(2)、クラブっぽい遊びに満ちた(4)も悪くないが、やっぱり、盛り上がるのは北米ツアーでの音を収録した(3)のライヴ・ヴァージョン。このルーズさがたまらん。

サード・シングルはバラード曲。(2)は未収録ナンバーで、ブルース・ベースの、ノリの良い傑曲。ライヴでやらないのは、もったいない気がするほど。(3)は別テイク、(4)はボブ・クリアマウンテンによるリミックス。ジャケット・デザインが手抜きでしょう。

『ヴードゥー・ラウンジ』からのセカンド・シングルの3ヴァージョンを収めたもの。リミックスの(3)(4)は軽薄で笑える。が、主役はシングルとは無関係の(2)のほうか。なんてったって、アルバム未収録ですから。軽量級のR&Rだが、結構アーシーで味あり。

ヴァージン移籍第1弾。ブルースありバラードありファンクあり…の幕の内弁当的な内容だが、ここまでヌケていれば文句なし。(6)(9)などにプロデューサー、ドン・ウォズの色が見える。発売後1週間で17万枚、オリコン初登場2位という売れ行きに、思わず、へぇー。

ストーンズがカヴァーした米黒人音楽のオリジナルを集めた企画の第二弾。明らかにストーンズ自身未聴であろう「股オリジナル曲」迄もが含まれていて、拡大解釈による「企画延命」を覗かせる。足で探す作業を、独善的に若者から奪い取ろうとする御親切な企画。

英デッカ・レーベル最後のスタジオ録音盤。ブライアン・ジョーンズの脱退。ミック・テイラー新加入という状況下で製作。アル・クーパー、レオン・ラッセルら英米ミュージシャンが多数参加した。「ギミー・シェルター」やタイトル曲など傑作ぞろいだ。

17年前のストーンズの傑作が登場。今のアーティストとレコード会社の関係では考えられないジャケット・デザイン事件が、今頃クリアーになるとは不思議だ。結局ブライアン・ジョーンズがいた頃の最後の傑作アルバム。

ストーンズ自身が初めてプロデュースした第1弾。ビートルズの『サージェント・ペッパーズ〜』やサイケデリック・サウンドの影響を受けており、当時賛否両論を巻き起こした。元ツェッペリンのJ.Pジョーンズ編曲「シーズ・レインボー」収録。

R&Bのコピー・バンドから出発したストーンズにとって初めてのオリジナル作品集。'66年発表。演奏は荒削りだが、ひとつひとつの作品がダイアモンドの原石のような質感を持っている。聴きものは「ゴーイン・ホーム」における11分13秒の熱演。

ビートルズが解散した今、ローリング・ストーンズは圧倒的なパワーと実力を誇る世界最強のロック・グループである。'62年、ロンドンで結成された彼らはR&B、ブルースに影響を受けたワイルドでエキサイティングなライヴが話題を呼び、'63年「カム・オン」でシングル・デビューした。R&B、R&R色の濃い第2作『12×5』は初のアメリカ録音盤。『アフターマス』に次いで発表された『ビトゥイーン・ザ・バトンズ』は全体にフォーク・ロック的色彩の濃い仕上がりになっている。また、『ホット・ロックス』Vol.1,2はアメリカ編集による1964〜1971年までのベスト・ナンバー集。

相変わらずの悪ガキぶりを発揮しているローリング・ストーンズの面々だが、'64年の『ザ・ローリング・ストーンズ』はジャガー&リチャード最初の共作「テル・ミー」収録のデビュー作。『…No.2』はシカゴはチェス・スタジオに於る彼ら初のアメリカ録音盤。R&Bへの熱い想いが伝わってくる。『ハイ・タイド……』は'63年のデビュー曲「カム・オン」から'66年までの、『スルー・ザ……』はストーンズ第2黄金期に当たる'67年〜'69年のそれぞれ名作を収録したベスト集。ストーンズは永遠に不滅のキッズ魂を持つバンドだ。

U2などで知られるイギリスの売れっこプロデューサー、スティーヴ・リリーホワイトを迎え猥雑さが一層増した。シングル「ハーレム・シャフル」にキースの変わらぬ不良ぶりを見た。

ロック・グループ中のロック・グループ、ストーンズの久々のグレイテスト・ヒッツ。自身の会社設立以来14年間の代表作12曲をコレクション。メンバー・チェンジや、音楽的にもメジャー指向からR&Rへの回帰やヒップ・ホップまでクレエイトしてきた歴史が。

ロック・バンドの王様が4年ぶりに登場。王者の風格にふさわしく、ハードなメッセージと強力なリズムが頭の中に飛び込んでくる。最後の「マスト・ビー・ヘル」はジャガー&リチャードの現在のポリシーそのものだ。

「結成25周年記念企画」というわけで、'71年発表の名盤『スティッキー・フィンガーズ』から'84年発表のベスト盤『リワインド』まで、われらがストーンズの14枚のアルバムが一挙にCD化された。さて、何か書かなければならないのだが、実は書くべきことは何もない。書くことがないのではなく、書くべきことがないのだ。ぼくに書けるのは「とにかく聴いてみろよ」ということだけだ。ストーンズを聴く。それは特別な体験だ。いったい何人のガキがストーンズを聴いたせいで道を誤ったことか。今この文章を書いているぼくもそのひとりだ。「ストーンズの音楽は黒人音楽のイミテーションに過ぎない」と言う人がいる。それは間違いではない。しかし、正しくもない。そうじゃないんだ。ストーンズのせいで道を誤ったガキどもは知っている、そうじゃないんだってことを。ストーンズについて語る必要はない。ストーンズを聴けば、それがわかる。

日本編集による来日記念盤。「ミックスト・エモーションズ」と「ロック・アンド・ア・ハード・プレイス」のリミックス・ヴァージョン(1)〜(5)とアルバム未収録のシングルB面曲(6)(7)という特に新味のない編集盤だが、やっぱり買わないわけにはいかないよな。

BBCでのスタジオ録音と公開ライヴ録音それに「レディ・ステディ・ゴー!」でのライヴなど、63〜64年のものを集めた貴重なコレクション。(7)はおっとどっこいのめずらしもの。健気ながら下品でヘタくそな美しさはどうしようもなく満ちあふれている。

ひどい音だが、ストーンズ・マニアなら欲しいだろう。R&B熱にうなされていた若者だった頃のストーンズのライヴ集で、ガヴァー曲を半分近く収録してあるのが味噌か。音の悪さを別にして、初期ストーンズをとりまいた熱っぽさは見事に伝えてくる。